実家から届く段ボール箱

 先日、実家から送られてきた緑の山。
 大根葉、中島菜、インゲン豆、枝豆、ずいき、じゃがいも、ピーマン、しろなす、玉ねぎと飴2袋。
 野菜は全部、母が畑で育てたものだ。今回はなんと言っても大量の枝豆に驚いた。枝豆のさやを取るのに、半日かかったというので、そんなに大変なら枝付きのまま送るように言った。すると、一部枝つきのものも入っていた。早速、キッチンハサミでさやを採ってみたが、枝と枝の狭い間にさやが密集してついていて、なかなか手強い。この大量の枝豆を一人でとっていたら、そりゃあ、半日かかるわ、、、

 この山のような野菜を、我が家だけで食べ尽くすのは無理なので、ご近所にもお裾分けをする。て言うか、もらっていただく。

 私が大学生になり、実家を出てからというもの、その季節、その時期で畑で採れたものを、段ボール箱いっぱいに入れて、送ってきてくれる母。その量の多さに困惑することも多々あった。その都度、お隣さんや友達、親戚にお裾分けしてきた。母の野菜をきっかけに、だんだん距離も近づき親しくなっていった。時には、そのお返しにと高級パンやお菓子を頂いたりして、まるで「海老で鯛をつる」ということもよくあり、かえって申し訳なく思ってしまう、、、

 母から送られてくる段ボール箱には、たくさんの野菜だけではなく、どうやらご近所や親戚との潤滑油も入っているらしい。