断捨離からリサイクルへ

今週のお題「おうち時間2021」
 断捨離で出た不要品。ほとんどは、捨てたが、捨てるにはもったいないけど使わないというものが、絶対に出てくる。
 我が家のそれは、使わなくなったプリンターとCDプレイヤーと「筆まめ」のソフトウェアだ。どれも古いものだけど、まだ使える現役だ。もったいないなくて、捨てられない。でも、誰も使わないし、プリンターにいたっては、重要な場所をかなり占領している。
 「そんな品物は、売ろう!」
ということで、不要品を処分した後の勢いで、この3点だけは別にリサイクルショップに持って行った。
 
 最初に行ったのは、「セカンドストリート」だ。ゴールデンウィーク中のため、そのお店のあるショッピングモールの、駐車場はものすごく混んでいた。車でそろそろとお店の前を通ると、大きな荷物を抱えた人の長蛇の列が見えた。私には、大きなプリンターの箱を抱えてその列に並ぶ気力はなかった。しかたなく、別の店にいくことにした。
 今度は、「ブックオフ」だ。本だけではなく、いろいろなものを買い取ってくれると聞いたことがあったので、行ってみた。でも、本当に買い取っもらえるか先に確認してから、品物を持っていくことにした。店内は、売る人、買う人で混んでいて、店員さんも忙しそうしていたが、強引にきいた。
「ここって、電化製品も買取ってくれますか?」
「いや、無理ですね。」
そう言われてみると、誰も電化製品とか抱えていないし…
 持ち込みゴミセンターは、拍子抜けするくらい空いていたのに、リサイクルショップはかなり混んでいる。
「断捨離、やっている人、やっぱり多いわー」
なんて言いながら、次の店を探していた。
 こうなったら、絶対に何でも買い取ってくれるあの店に行くことにした。以前、壊れたタイムレコーダーを100円で買い取ってくれてびっくりした。「エコリング」というそのお店は、どちらかというとブランド品の買い取りのイメージが強いが、実はなんでも買い取ってくれる。最後の砦だ。
 行ってみると、私の前に2組ほどいたが、査定のみだとすぐにしてくれるという。金額はそんなに期待していないが、とにかく買い取ってくれるらしいので安心した。奥から別の店員さんが出てきて、ちらっと品物を見て言った。
「こちら、かなり年数が経っていますのであまりお値段はおつけできませんが、よろしいでしょうか?」
『せっかく運んできたんだから、いくらでも良いからとにかく買い取ってくれー』とは、言わなかったけど、その代わりに大きくうなずいた。
 身分証明書を提出し、いろいろ書類に記入し、「しばらくお待ち下さい」と言われた後に、店員さんが恭しく電卓を差し出した。
 差し出され電卓を見て、目を疑った。
 10円…だった。3点まとめて。あの壊れたタイムレコーダーですら100円だったのに何故?
 言いたいこと、聞きたいことは、いっぱいあったけど、古い電化製品なんてこんなものなかと思い、
「結構です。お願いいたします。」
と、10円で買い取ってもらった。紫のビロードの高級感満載のトレイに載せられた10円玉を受け取り、そそくさと店を後にした。

 お店の人に、こんなもの持ってきてって呆れられたんじゃないかという恥ずかしさと、いくらなんでも3点で10円は無いだろうという怒りがごちゃ混ぜになった。

 店の前に車を止めて主人が待っていた。
10円って聞いたら、
「なんでそんな値段で売ったんだ!」
って怒られるかな…そんな心配もしながら車に乗り込んだ。
「どうだった?」
「いくらで買い取ってくれたと思う?」
「1000円ぐらい?」
「いや、甘いな。10円だよ。」
主人が運転しながら絶句しているのがわかった。
「ガソリン代にもならなかったね。」
と私。
「まあー処分できたし、ドライブも出来たから良かったやん。」
と、主人からは、前向きな言葉が。
 店を3軒回り、費やした時間と労力の対価が10円。いくら金額は期待していないとしても10円は、まさに想定外だわ~。私の感覚がずれているのかなあ。こんなことなら最初からゴミとして処分していた方が良かったのかな。いや、
『リサイクルされて、再びどこかで誰かに使われるにちがいない。』
と、思わないとやってられない。