息子に与え続けた無言の圧力、私の「悲しい顔」

学年末試験を1週間後に控えた夕食後。

相変わらずのゲーム三昧の次男に、

親として、勉強の大切さを言った時だった。 

堰を切ったように、息子が思いを吐き出した。

 

俺の夢、やりたいことは、絶対に許してもらえない。

やりたいことがあっても、それを言おうとすると、ママはいつも悲しい顔をする。

パパとママと居る限り、自分の思うように自由には生きられない。何故なら自分のメンタルが弱すぎるから!

パパとママの考えは古すぎるんでだよ!

 

まだ何か言ってたかもしれないが、次男の訴えは大体、こんな感じだった。

 

何不自由なく快適な環境でゲーム三昧で過ごしていて何をぬかすか!

試験前ぐらい勉強しろ!

と、言ったかどうかは、実は覚えていない。でも、思ったのは確か。  

 

今までにも似たようなバトルはあった。

中学受験の時、高校受験の時、そして今回。いつも泣きながら次男は、自分には勉強は必要ない、と訴えてきた。その都度なだめて、何とか機嫌を直してまた勉強を頑張るようにと仕向け、それを願ってきた。     

今回の次男は、今までとは違った。親の言いなりにならないという、確固たる信念を感じた。

もう、いちいち俺の動向に口を出すな!俺の好きなようにやる!

と無言の圧を感じた。

 

冷静になって考えてみると、私は、相当な毒母だ(認めたくないけど)。

小さい頃からの習い事から始まり、中学の部活。実際にするのは次男だけど習ったりやめたりする選択の自由は、なかった。

全て、私が決めてきた。嫌なら嫌と言うだろうが、何も言わないから、それで良いのだろうと思っていた。

何も言わないのではなくて、言えなかったんだ。何故なら、私が悲しい顔をするから。

私には、次男と話をしている時の自分の顔は分からない。でも、無意識に自分の意に沿わないことを次男が言うと、悲しい顔をしていたのだろう。

優しい次男は、そんな母親の顔を見るのがつらくて、自分の思いを押し殺して今まで生きてきたんだ。

大好きなゲームをしている時も、母親は悲しい顔をして見ていたに違いない。心から楽しめていなかったんだろうな。

私は、次男を目に見えない透明な蓋でずっと押さえ続けてきたんだと思う。

申し訳ないことをした。

ごめんね。

彼の夢は、はっきりとは分からない。でも、私は、応援しよう。犯罪でない限り応援しよう。自分の好きなように伸び伸びと生きてほしい。

 

もう、遅いよ!

 

そう、叫んだ次男。我慢して我慢して、夢を叶えるタイミングを失ってしまったのかなぁ。

 

今の学校を勧めたのも私。

期待に応えて入学したものの、自分から行きたくて入った学校ではないから、勉強に身が入らないのも、無理はない。