サチばあちゃん、洗濯物を干して取り込み、畳んでくれる。畳みながら、糸のほつれている箇所を見つける。私は、余程で無い限り、スルーする。
サチばあちゃんは、私の滅多に使わない裁縫箱の針を使って、チクチクとほつれを直していく。私は、針に糸を通すまでにやたらと時間がかかり、繕う前に気持ちが萎えてしまうけど、目が悪くなったと言いながらも、器用に糸を通してチクチク。
「上手だね」
と言うと、
「適当やわ。いいがんに見えとらん」
そう言いながら、昨日は、ズボンのボタン付けと綻びを直した。
そして今日は、私が枕カバーにしているタオルの綻びを直した。
「いったいどこが、ほころんでいたっけ?」
と思うぐらい、綺麗に直してある。丁寧な仕事ぶり。色の褪せたバスタオルの枕カバーは、捨てれなくなった。
「本当は、裁縫の仕事をしたかったんや」
好きなんだね。でも、若い頃は、田んぼに畑に製材所の仕事に家事にと、ゆっくり座る暇もなく働いて働いていたサチばあちゃん。そう言えば、子どもの頃は、穴の空いた靴下も上手に繕って、穿かされていたっけ。早く新しい靴下が穿きたかったのに、穴が空いても空いても繕うサチばあちゃんが恨めしかったわ。
大好きなお裁縫。今なら、時間はたくさんあるけど、目が、、、
時々、こうやって繕ってくれるだけで、みんな大助かりだわ。
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