幻の「お袋の味」に挑戦

 スーパーに買い物に行った時、川津エビを見つけた。パックの中のエビを数えてみると12尾。値段は、250円。4人で分けると、一人3尾。さんざん迷ってお買い上げ。

 亡くなった義母が作ってくれた「川津エビとなすの炊き合わせ」は、私にとってお袋の味だ。
 エビの出汁のきいたなんともいえない良い香りで、なすとの相性が、とても良い。
 そもそも私は、義母が食べさせてくれるまで川津エビの存在を知らなかった。

 夕方、家に帰ると、義母が炊いた川津エビの良い香りが漂ってくると、夕食が急に楽しみになったものだ。

 何度か私もチャレンジしてみたものの、何故か漂ってくる匂いが違うのだ。結局、川津エビを見つけたら、買ってはくるものの、調理は義母にお願いしていた。

 あの時の匂いと味が忘れられなくて、再度チャレンジしてみた。

 エビを洗い、髭と頭を取って、茹でる。
茹で汁に醤油、みりん、酒をくわえてエビをしばらく煮てからとりだす。
 なすは、半分に切って、斜めに切り込みをいれる。
 しばらく水にさらした後、エビを取り出した煮汁でなすを炊く。もちろん、とりのぞいたエビの頭も一緒に入れて出汁がでるように炊く。

 もうこの辺であの良い匂いが漂ってきても良いはずなんたけど、、、

 そして、最後にエビを戻して出来上がり。なんだけど、、、、

 あれ、やっぱりあんまり匂いがしない。
 何故だ➰

 義母が作った「川津エビとなすの炊き合わせ」。義母亡き今では、幻の味だ。
 食べたーい!!