バージョンアップ

 テレビをずっとつけっぱなしでいると、テレビショッピングが何度も流れてくる。そのほとんどは、聞き流すんだけど、時々、刺さるものがあるから、厄介だ。その存在を知らなければ知らないで済まされていたものが、知ってしまうと気になって仕方がない。そうやって、今までに一体いくつ購入しただろうか。

 今日もまた、刺さってしまった。でも、今回はいつもとちょっと違う刺さり方だ。以前に購入したものが、さらにバージョンアップして、紹介されていたのだ。
 高温のスチームで汚れを落とすというもの。お風呂や台所の汚れなど、掃除をする気力を失くしていた時に出会ったスチームの洗浄器。テレビで紹介された時、
「もうこれしかない!」
という勢いで購入してからもう3年ぐらいになるかも。その間に何回使ったっけ?というレベル。
 最初は、喜んで使ったけど、結構出し入れは面倒だし、ごく限られた狭い範囲ならば、確かにみるみるキレイになるけど、台所の壁一面とかなるとちょっとしんどい。結局、使う回数が目に見えて減っていった。思ったほど、想像していたほど、汚れが落ちなかったし、落とすのも大変だったというのが、正直なところかも。

 それが、さらに使いやすくなって登場だって。たしかに、用途も増えて『便利ダワな~』って見ていたら、性懲りもなく、また欲しくなってしまった。
「最後にお値段は、22800円!」
『高いやん。』
「しか~し、累計販売12000台突破記念で、なんと12800円!」
だと。思わず『安い!欲しい!』となった。
だけど、よーく考えてみると、この安さに私が買った1台も貢献しているんだよね。どうせ買うならこっちが良かったわ。バージョンアップ、ずるい。前のモデル買った人には、下取りしてより安く売ってあげるぐらいの度量を、見せて欲しい!

 でも、たとえバージョンアップした洗浄器でも、動かすのは私。このズボラな性格をなんとかしないかぎり、いくらバージョンアップを重ねても、洗面台も台所もキレイにならないわ。
ってことに気付いて良かった。また、品物を増やすことになるところだった。