自慢の息子
どのぐらいの頻度なのか定かではないが、長男の母校(高校)から同窓会報というものが、送られてくる。
その会報を長男に代わって見ていた主人が、いきなり大声をあげた。
「見ろ、見ろ。長男の名前が載っているぞ!」
見てみると、確かに載っている。2021年の寄付者の一覧の中に、同期では長男の名前だけが、載っていた。
「アイツ、寄付したんだ。なかなかやるやん。まぁ、それだけ生活にも余裕が出てきたんやなあ」
と、主人は喜びを抑えることが、出来ない。
「そう言えば、私の故郷に、『ふるさと納税』もしたって言ってたね」
と私。
主人と2人で社会人3年目の息子の成長を噛み締めでいた。
大学入学、就活と何かともたつき、就職してからも自分探しをしているようで、心配していた。
そんな長男だったが、先日、久しぶりに帰宅した時には、仕事の面白さややりがいを感じているようで、安心したところだった。
そして、母校の同窓会への寄付ときた。
私は、嬉しさのあまり、長男にLINEした。
「会報にあなたの名前が載ってたよ。
寄付したんだね。えらいやん!
パパ大喜びだったよ」
しばらくしてから、返信があった。
「まことに言いにくいんだけど、身に覚えがない…」
「えっ、どーゆうこと??」
主人に伝えると、しばらく考えてから、
「あーっ、オレが代わりに振り込んだんだった!」だと。
そして、私も、その時のやり取りが、まざまざと思い出された。
そー言えば、パパ、送られてきた振り込み用紙ぴらぴらさせながら言ってたね。
「どーせ、アイツ寄付なんかしないだろうから、代わりにやったるわ、1000円」
って。
2人ともすっかり忘れていた。
めでたい夫婦だ。
しかし、一口1000円の寄付の1000円でも名前載せてくれるのね。
息子よ、いつか本当に母校にドーンと寄付ができるように、頑張っておくれ!