あんこは、こし餡!

あんこは好きだけど、私は、こし餡派。

粒あんの小豆の皮が、どうも苦手だ。ぜんざいのように最初からしっかり粒あんなら、大丈夫なんだけど、最中や饅頭の中の粒あんは、苦手だ。そのため、和菓子を買う時には、必ず粒あんなのかこし餡なのか確認する。もなかも饅頭もだいたい粒あんが多い。なかなかこし餡のものには、お目にかかれない。たまにこし餡の和菓子を見つけるとつい買ってしまう。

 

なんで、こし餡が好きになったのか?

おそらく父の影響だと思う。私が、もの心ついて、はっきりこし餡のおいしさを意識したのは、父が、時々お土産に買ってきた「あんころ餅」を食べた時だった。小さなお餅が8粒ぐらい並んでいて、たっぷりのこし餡に包まれていた。餅を食べているのかこし餡を食べているのかわからなくなるぐらいだ。そのこし餡がとにかく美味しかった。そこから、私のこし餡好きが始まった。

 

実家のある町のスーパーで売られている「えがら饅頭」という饅頭も中はこし餡だ。緑色でなぜか表面にご飯粒がついている変わった饅頭だ。そして、母といつも一緒に行っていた八百屋さんで売っていた「水羊羹」。今でも里帰りをするたびに、地元のスーパーに立ち寄り、それらを買う。何年か前に地元に出来た大型スーパーで見つけた時、懐かしい味が蘇ってきた。私のソウルフードだ。でも、私が食べていた頃とは違って、少しあか抜けたようなパッケージになって、味もちょっと違うような気がしたが、こし餡はこし餡。美味い。

父は、「あんころ餅」や「えがら饅頭」をよく買ってきて、私と二人で食べていた。二人とも甘いもの好きだった。

もう一つ、二人の好きなもの。彼岸に母が作るこし餡のおはぎと、ぼた餅。小豆ももち米も全て母が育てたもの。私がこし餡が好きだからこし餡のぼた餅をリクエストをしてから、手間のかかるこし餡で作ってくれるようになったのだ。

 

ついこの前のゴールデンウィークに帰省した際にも、作ってもらった。

父の分は、仏前に供え、私は、「もう作るのはこれが最後かも」という母の言葉を聞きながら、頬張った。