貧乏性

 台所の棚の前に物をつい置いてしまい、引き出しをあけることが出来ない。
 何年か前に整理をした覚えがあるが、引き出しに何を入れたのかは、記憶にない。久しぶりに重い腰を上げて、片付けることにした。

 棚の前に置いているじゃがいもやらビールやら空き瓶やらをのけて、引き出しの一番上をあける。引き出しいっぱいに入っていたのは、使用済みのジッパーつき袋。真ん中の引き出しも、同じくジッパーつき袋(使用済み)。そして一番下は、やはり使用済みの可愛い紙袋と包装紙だった。

 何を大事にし舞い込んでいるのかと思えば…棚の前には、スーパーのレジ袋が大きめの紙袋の中にぎゅうぎゅう詰めになって置かれている。

 お金は、ちっとも貯まらないけど、袋は気付けばすぐいっぱいになる。
 ゴミを捨てる時に便利と思い、ついついためこんでしまい、それがゴミになっているという状況。
 ここは、少しだけ残して後は捨てるしかないが、せっかく今まで溜めていたのに、今さら捨てるなんて、もったいない❗と思ってしまう自分と格闘。

 昔から、きれいな包装紙、袋、箱、リボンなんかは、大事にとっていた。それを使って何かを作るわけでも、特に何かに利用するわけでもなく、ただ捨てられなかった。もったいなくて…それは、今も変わらない。
 当然、昔着ていた洋服、古いタオル、10年以上昔のベビー服、大量のペットボトルの蓋等々ほとんどゴミのようなものまでも、捨てられない。
 つくづく貧乏性だなぁと思う。
 
 こんな我が家の状況をまるで見ていたかのように、よくリサイクルショップから電話がかかってくる。
「不要なものはございませんか?食品と生き物以外でしたら、何でも引き取りますよ。」
「結構です。ありません。」
と、きっぱり断る私。もはや何が不要品なのかわからなくなって来ている。みんな要らないと言えば要らないし、いると言えばいる。

 こんな私だけど、憧れは、スッキリとした部屋で、本当に必要なものだけに囲まれて暮らすこと。いつか断捨離に挑戦したいと思っている。
でも、断捨離したとしても、きっとまた袋がたまっていくんだろうなぁ。だって、貧乏性は、断捨離できないもん。