危ないオッサン

 いよいよ6/1から、息子の中学校が始まる。そこでハタと気付いた。そう言えば、通学定期券が、4/10でキレていたんだった。
 去年もさんざん並んだ挙げ句、本人が横にいるにもかかわらず、証明書がないから無理です的なことを言われて、粘ってなんとか発行してもらったという、苦い思い出がある。今回こそは、準備万端ぬかりのないように行こうと、予め電話で問いあわせた。本人は、居なくても大丈夫ということなので、主人と二人で行くことにした。

 駅の定期券売場に行くと、前回以上の長蛇の列だ。待ち時間は、軽く1時間超えそうだ。言うなれば、6/1が、新学期の始まりみたいなもんだから、みんな考えることは同じだ。
 結局、前回同様、長蛇の列に並んだ。前と違うのは、本人がいないということ。私のすぐ後ろには、息子と同年令ぐらいのおとなしそうな男の子と優しそうなお父さんが並んでいた。
 驚いたことに、その男の子は、自分の順番がくるのを、学生証を握りしめてただじっと待っていた。前に息子が一緒に並んだ時は、ずっとゲームをしていたっけ。えらい違いだ。

 30分ほど並んでいた時、近くのショッピングセンターに車を停めた主人が、やってきた。去年以上の長蛇の列を見て、
「なんやこの列は!○○電車は、何の工夫もしていない!もっと利用客のこと考えろや!」
と、かなり大声で私に話かけてきた。
 長蛇の列ではあったが、みんなその事を受け入れて、大人しく並んでいる。主人の声は、並んでいる人たちの賛同を得たというよりも、どちらかというと、危ないオッサンが文句を言っているという空気を私は感じた。私の後ろに並んでいた大人しい少年と優しそうな父親の親子は、明らかにひいていた。
 私は、まだ、文句の言いたげな主人を制して、
「買い物に行くから代わりに並んでいて」
と言い残して、そそくさとその場を立ち去った。

 買い物から帰って、主人と交代。また何か言いたげな主人の話を反らしたかったので、定期を購入したら連絡するからと、とにかくいったん主人には、列から離れてもらった。

定期は無事購入できたものの、結局、1時間半並んだ。
 次こそは、もっと早めに購入しに行こう。