目覚めたばかりで、ボーッとしている時に、隣で寝ていた主人が開口一番に言った。
「ママ、昨日の試合の敗因なんだと思う?」
いきなり「試合の敗因」と言われても、何の事なのか訳が分からず黙っていると、もう一度言った。
「昨日、テニスで全敗しただろう!」
「何でだと思う?」
若干、イラついた様子で、また聞いてきた。
週に1回、主人と私と次男の三人で、テニススクールに通っている。そこで、試合をしたのだが、主人と私がダブルスのペアになった。4組の総当たり戦で、見事に全敗したのだった。
私は、主人や息子以外の方とペアになると、プレッシャーから緊張して、つまらないミスを連発してしまう。いつも迷惑をかけないようにと祈りながら、プレイをしているので、試合は苦手だ。主人や息子なら多少の失敗も気にせず、のびのびとプレイできる。
で、前日はその主人と組んだのだが、ほとんど私のミスで、全敗という結果になってしまったのだ。
でも、私はそんなこともあるわぐらいでそんなに気にしていなかった。主人も特に文句を言うわけでも無く、終わっていた。
それなのに、翌朝、目覚めるやいなや、敗因は何かと詰め寄られようとは、、、
主人が言うには、私は負けるべくして負けているらしい。
「ママな、強い人にばっかりに打っているし。しかも取りやすい球や。強い人に打つなら、もっと取りにくい球打たないと。そして良いようにやられているし。弱い人を狙うのが、常識だよ」
だと。
確かにそうかも知れない。でも、自分がそうであるように、あまり上手くできない人って、きっとドキドキして、自分の所に来ませんようにって思っているんじゃないかなぁなんて、勝手に想像してしまう。ついつい上手い人と勝負して、そしてたいていやられてしまう。
しかし、主人がそこまで勝負にこだわっていたとは思わなかった。たかがお遊びの延長での試合ではないか。
勝っても負けても楽しめたら良いんじゃない?