あと一歩

2階に上がる階段のゴミが目立っていた。 『そう言えば、最近、掃除機かけてないなあ』って思いながらも、そのまま放置しているのが、私。
誰も何も言わないし。『まあ、いいか、そのうちやろう』と、先伸ばしにしていた。
義母や義父が、元気だった頃は、何か言われそうで、そこそこ汚れが目立ってきたら、それなりに掃除もしていたけど、二人とも亡くなった今となっては、私がするかしないか決めるだけ。そんなきれい好きでない、いや多少の埃も気にしない私が、掃除のメインメンバー。
そんなわけで、私は、ますます怠惰になっていき、我が家はゴミ屋敷一歩手前で踏みとどまっているような状態だ。誰かに言われて掃除するなんて嫌だけど、誰からも何も言われないと、なかなか重い腰をあげられない。

そんなある日、気付くとずっとあった階段のゴミがきれいになくなっている。私以外に掃除する人って、、、、主人だった。

主人は、どんなに散らかっていても、文句は言わない。その代わりに、自分から進んで掃除をする事も、まずなかった。
そんな主人が、とうとう見るに見かねて、掃除機をかけてくれたらしい。私の粘り勝ち!

しかし、掃除機を見ると、ゴミがパンパンに詰まったままだった。次に使おうと思っても、吸い込む余地が全くない。
埃だらけの部屋にいながら、
「埃がきらいなんだよね」
って言っている主人。手が汚れるようなことはしたくないらしい。誰だって嫌だわ。だからこそ、最後のゴミ捨てまでやってくれていたら、「さっすが~」ってなるところだったのに、残念!

掃除機をかけてくれたのは嬉しいけど、これでは嬉しさも半減。あと一歩頑張って欲しかった。