颯爽と歩こう!
久しぶりの外出で駅に向かって歩いていた。すると、30〜50m先におじいちゃんが歩いていた。リュックを背負って、少し猫背でガニ股だ。よく見かけるおじさん、いや、おじいちゃんに近いスタイル。
追い越そうと少しずつ間を詰めて行くと、何だか見覚えのあるリュック、、、
『もしかして、パパ?』
追い越しながら振り返るとやはり主人だった。
お互いに驚いた。
主人は突然現れた私に驚き、私は、急に年老いたように見えた主人に狼狽した。
週2でテニスにも行き、行動的な主人に今まで「老い」を感じたことは無かった。まだまだ現役のように思っていた主人だが、考えてみればこの9月で70歳。ひと昔前ならもう、立派なおじいちゃんだ。
つい最近、スーパーで買い物をしている私を見て、主人が言ったっけ。
「ママ、背中が曲がっていてまるでおばあちゃんみたいやった。もっと颯爽と歩けないか。」と。
最近、腰が痛くて確かに前屈みで歩いていたとは思うが、ショックだった。
私の場合、背が高いから余計に姿勢の悪さが目立ってしまう。
それからは、できるだけ腰を伸ばし、颯爽と歩こうと意識している。
だから、今日も颯爽と前を歩いているおじいちゃんを追い抜こうと、頑張って歩いたのだ。
主人を追い抜かしながら言った。
「パパ、おじいちゃんみたいやで。もっと颯爽と歩きよー」
お互いに歳を取って、気づけば60歳と69歳。自分が歳をとるのも嫌だけど、旦那と嫁もまだまだ若くいて欲しい。お互いの「老い」は、まだまだ認めたくはない。
私達の思いは、どうやら同じだ。